今更書くようなことでもないくらい人気のある漫画だけど、最新話があまりにも良かったので勢いで書く。
基本的に先読みはしない派だけど、TLのごく一部が沸いていたのと、更新が2週間先だったので先読みした。良すぎた。
タイトルにある通り、題材はカバディ。カバディはインドの国技で、走る格闘技とも呼ばれる。
基本的には鬼ごっこに近くて、1人の攻撃手が複数人の守備を相手にタッチしていく。タッチした後、自陣に帰れれば得点。それを交互に繰り返す。
ざっくり攻撃・守備というポジションはあるけど、誰が攻撃に出てもいいし、守備は攻撃手も参加する。
主人公は元サッカーのスペシャリストで、通称「不倒」。
一度もファウルされたことがなく、カバディにうってつけなのでは!?ということで、勧誘を受けるところから始まる。
初めはネタスポーツと捉えていた主人公も、次第にその熱さに触れてのめり込んでいき…という内容。
まあ題材が特殊なもののよくあるスポーツものの導入だし、初期は絵も粗めかもしれない。
でも今はめちゃめちゃに絵が進化しているし、大ゴマのクオリティがやばい。スポーツ漫画の魅力はここぞという時の大ゴマだと思うけど、こんなに絵が上手いのはスラムダンク以来では?
主人公は攻撃手で、目標に同世代最強格の攻撃手である部長を据えている。
この部長、体格に恵まれないどころか虚弱であるものの、相手の虚をつく攻撃で得点を量産する。強い。かっこいい。
主人公も、サッカーという走り続けるスポーツで活躍していただけあり、どんどん新たな技術を習得して頭角を現していく。
もちろん才覚溢れる人たちが活躍する姿も面白いのだけど、才能に苦しむ人や初心者の苦悩や葛藤もスポーツ漫画の面白さ。そしてこの漫画、それを余すことなく描いている。
カバディは相手にタッチされると一時的に退場し、味方が相手をタッチすると再びコートに戻ることができる。
部長は言うまでもなく強いので、タッチされても何度もコートに戻してくれる。
でも自分は未熟なので、相手の攻撃手を倒すこともできず、ただタッチされるだけ。タッチされるためにコートに戻るようなものだ。
これはほんの一端だが、そうした苦しみを、カバディならではの特徴を交えて描く。
時には自校、時には相手校の選手に、それぞれの苦しみと、それを乗り越えるストーリーがある。
モブがモブでなく、それぞれに成長がある。
作者はスラムダンク世代のようで、影響を受けたであろう雰囲気はそこかしこに感じる。
スラムダンク好きな人なら間違いなくハマるし、そうでない人も、絵は今風だから読みやすくはあると思う。
今270話くらい、マンガワンでなんと無料で読めます。この作品を初めて読めるということに羨ましさを感じつつ終わります。