アラサー、チャリを漕ぐ

1日目 東京の真ん中らへん〜富津 120km(徒歩3km)

チャリダーの朝は遅い。

宿のチェックイン21時にしてるしなんとでもなるやろ!と思いながら前日夜更かしして10時発(生活習慣の乱れ)。

 

相も変わらず都内は特に見所もなく、適度に国道を避けつつ淡々と進む。

千葉に入る手前に休憩した直後、肩の痛みで全く動けなくなった。最近、妙に肩甲骨が痛い。原因はおそらくRTAのやりすぎ。

奇跡的にリュックに残っていた湿布を貼り、なんとか再出発。

 

昼は千葉で気になっていたラーメン屋に行こうと思っていたけど、暑さに食欲を抹消されたので、適当にサイゼリヤに入った。

めっちゃ爪楊枝がうるさいおっちゃんが隣にいて、早く出てくれ〜と思っていたら、こちらを見てなのかキッズメニューの間違い探しを始めやがった。

爆速で間違い探しと食事を終わらせ席を立った時、おっちゃんはウンウン唸りながら間違い探しとにらめっこをしていた。がんばれ

サイゼの間違い探し、昔よりだいぶ簡単になった気がする。

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サイゼリヤを出て少し走ると、金色のマッチョが2人いた。どうやらジムらしい。

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途中神社に立ち寄りつつ、ひたすらに南を目指す。

渋滞中の国道で、車に抜かれた時に助手席から何かを叫ばれた。若いニーちゃんだったので、煽られでもしたのかと思ったが、一度信号で追い抜いて登り坂でまた抜かれた時、ファイト!と言われた。

軽く手を挙げて応え、再度追い抜き三度抜かれた時は、窓から手を振られた。いいやつかよ。こちらも手を振りかえしておいた。

 

今回は駅に寄りながら進んでみたけど、やっぱり八幡宿か五井あたりから、急速に田舎化が進む。よい。

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スマホに頼りきりで進むのも味気ないので、大体方角を合わせて進む。

が、違和感を覚えて確認するとあらぬ方向に進んでいることが結構あった。もしかして方向音痴?

姉ヶ崎の駅前には謎のゆるキャラがいた。このなりで神は無理だろ

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君津には人見神社という、高台にある神社がある。

前に原付で来た時にたまたま立ち寄ったが、大層景色が良いので寄りたかった。

太ももどころか身体ごとはち切れそうになりながら登ると、夕暮れの景色が広がっていた。

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この時前輪を確認すると、少し空気が少なくなっている気がした。

体重かけることもあったしこんなものかな、と思いながら急坂を下ると、明らかにタイヤに不具合がある。

幸いすぐそばに自転車屋があったので向かうが、閉まっていた。

次の自転車屋は6km先、少し遠回りになるが、それくらいならなんとかタイヤは持つだろうと思い出発する。

 

閉店前に到着すると、果たして店は閉まっていた。

絶望を感じながら電話すると、お盆休みに入っているらしい。

一応先にも自転車屋はあったが、電話がつながらず万事休す。

 

まだパンクであるか確証が持てなかったので、ひとまず宿に向かうことにする。これまた6km、タイヤはかなり怪しいがなんとか着けそうではある。

途中、庭先で靴を洗っていた奥さんに声をかけ、空気入れを貸してもらったが、空気が一向に入らない。実はこの時、緩めなければいけないピンを緩めていなかったが、全く気づいていない。愚か。

いよいよダメかもな…と思っていたところ、車で宿まで送ってもらえそうな雰囲気になったので、慌てて断って出発する。歩いても30分程度、さすがに申し訳ない。

 

空気の抜けたタイヤで走ると、足に過剰に負担がかかる。

限界を感じ、宿まで3kmの道のりをトボトボ歩く。

ナビに従って歩くと、海岸に出た。Google mapさん??????

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真っ暗な道を抜けつつ、へとへとで宿に辿り着く。

空気入れを借り、今度こそピンを緩めて空気を入れるが、タイヤから空気の抜ける音がする。よくよく見ると、タイヤが破れていた。この世の終わり

 

先ほどかけた自転車屋からも折り返しがあったが、そちらもお盆休みらしい。

とりあえず片端から電話をかけてみると、10km戻ったところにある店は、翌日も営業しているとのことだった。

この店、タイヤに異常を感じたところから3kmも戻ればあった店である。

まず電話をしなかった自分の愚かさを呪いつつ、2時間の徒歩に備えて早めに床についた。

 

 

2日目 富津〜野島崎〜富津 140km(徒歩10km)

自転車屋が開くのは10時、8時前に出れば十分間に合う。

一縷の望みをかけてビニールテープで穴を塞ぎ、再度空気を入れてみたが、100mで空気が抜けた。

 

既に日も高く、汗だくになりながらひたすら北上する。

途中、メダカの無人販売所を見かけた。メダカの無人販売所って何?

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10時前に自転車屋に着いたが、もう店は開いていて見てもらえた。

マウンテンバイクのタイヤは取り扱いが少なく、店員さんが探しに行く。

祈るような気持ちで待っていると、2本在庫があったらしい。神よ…

単純に劣化で破れたらしい。後輪は換えたばかりだったが、確かに前輪はいつ換えたか記憶にない。

 

念のため換えのチューブも購入し、朝ごはんを食べてから10時半頃出発。もっと遅くなることも覚悟していたのでよかった。

今度はひたすらに南下する。思い出深い127号線、湊という交差点を超えると海が見えてくる。

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昨日よりも暑く、体力の消耗が激しい。

途中、道の駅のようなところでココアフロートを買った。一瞬でソフトクリームが溶けて手が死んだ。

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休憩を入れても疲れがあまり取れず、ほどなくして見かけた飲食店に入る。

暑さはいまだ食欲を返してくれず、冷麺を頼んだ。

やたらと辛い漬物が大量に入っていた上に、なぜか小鉢でもその漬物が出てきた。漬物屋さん?

ちょうど甲子園で千葉の高校が試合をしており、1点ビハインドから逆転したところだった。

続きが気になるのもあったが、正直もっと休憩したい気持ちでダラダラと食べ、勝利を見届けて店を後にする。辛い漬物、ちゃんと美味しかった。

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海を眺めつつ南へ向かう。11年前はトンネルの車にびびっていた私だが、恐怖心をどこかに置いてきてしまったらしく、何事もなく進む。

館山市に入る時、両側にヤシの木が広がる。昔から印象に残っている風景である。

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この時、台風が近づいていた。台風は南から来るものらしく、風は海から吹くものらしい。そうなんだ。

6m/sで吹く向かい風の中を進む。進めない。

キレ散らかしながらも進み、内陸に入るかそのまま進むかの分岐に来た。

11年前は内側の山道に入り後悔したが、風が強すぎて山道を選んだ。

 

確かに風は弱くなったが、まあまあキツい山道、帰りは通らないことを決意する。

体力を削られながらも気合いで越える。大抵のことは気合いでなんとかなるのである。

最南端の野島崎に着いたのは15時過ぎ、おおむね予定通り。

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あとは宿に帰るだけである。

山道を通らないぶん5kmほど遠回りになるが、ずいぶん平坦で走りやすい道を進む。

が、館山に入る前に風が吹き始めた。なんでさっき南から吹いてたのに北から吹くわけ??????

 

しばらく漕ぐが、多少の登り坂もあり、すぐに限界が来た。気合いではどうにもならないこともある。

一応朝に携行食としてメロンパンを買っていた。パンはエネルギー効率が悪く、携行食には羊羹などが適しているとされている。

しかし、炎天下で無理やり食べるものなど結局スポドリで流し込むのだから、パンの方がいくぶんマシである。

 

メロンパンを無理やり詰め込み再出発するが、どうにも足が重い。

なんとかバイパスに出てゆっくりと走っていたが、頭痛を感じてバーミヤンに避難した。今回ファミレスによくお世話になる。

エネルギー切れの可能性もあるのでチャーハンを食べ、1時間弱休むことにする。

 

店を出た時には18時頃で、だいぶ涼しくなってきている。

頭痛は少し軽くなったが、今度は鼻水が止まらなくなってきた。

頭痛と鼻水、思い当たるのは風邪か重度の花粉症である。今は夏なので風邪の可能性が高い。

ドラッグストアで鼻水に即効性のある風邪薬を買い、飲んでから走り出す。結局宿に着く頃まで止まらなかった。

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自転車旅では朝が早いぶん、日が落ちてから走ることはあまりない。

しかし、この日は出発が遅くなったことと休憩(あと単純に距離が長い)で、ラスト2時間は真っ暗だった。

国道だから常に街灯が1本は視界にあるし、気温がだいぶ下がるので相当走りやすかった。

気温が高いうちはあまり走らず、十分下がってから動いた方がよいのかもしれない。もしかして真夏に自転車旅するの馬鹿?

 

なんだかんだで20時頃、初日と同じ宿に帰還。

外での活動が12時間を超えるとさすがにフラフラになり、前日よりもさらに早く寝た。

 

 

3日目 富津〜東京 110km

この日は台風の接近により、昼頃に雨が降る予報だった。

早めに出て国道を走り、本降りはファミレスでやり過ごしたいと考えていた。

考えていたが、出発は10時だった。チャリダーの朝は遅い。

 

雲は厚いが日差しは出ており、湿度がとにかく高い。結局、こういう天気が一番疲れる。

少し雨に降られながらも国道に出て進むが、1時間もしないうちにファミレスへ逃げ込んだ。ひたすらにキツい。

30分ほど休んで出発する。変わり映えしない景色の中をひたすら進むのはしんどいが、回り道をする体力も残ってなかった。

 

会社の工場が立ち並ぶエリアに入り、飲み物がなくなった。

次の自販機かコンビニで補充しようと思うが、進めど進めど見当たらない。

喉の渇きが強くなった頃、ようやくコンビニに辿り着く。

フラフラになりながらスポドリとサイダーを流し込む。ちょっと体調がまずいかもしれない。

 

変わり映えしない景色を進むのに耐えられなくなってきたので、少し駅の方に折れることにした。

川を超える坂を登ったところで、どうにも足が動かなくなり、側のベンチに横になる。

少し進んだが体調は戻らず、近くのファミレスに寄った。

 

ファミレスは涼しく、ドリンクバーで水分補給しながら長く居座れる。

体力は戻ってきたが、代わりに眠気が襲ってきた。眠気は熱中症の症状でもあるので、ネカフェで横になることも考えながら1時間くらい休憩する。

 

眠気はあるものの、店を出る頃にはだいぶ元気になっていた。

天気は小雨、だいぶ涼しく進みやすいのもあり、今のうちに進んでいくことにする。

千葉市に入る頃にはだいぶ雨が強まっていたが、その分涼しく、進む気力がモリモリ湧いてくる。

ネカフェを横目に進み、スポドリ補充のためにコンビニに立ち寄って、店を出た私を出迎えたのは豪雨だった。

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ついに雨雲に追いつかれたらしい。途方に暮れながら、横のゴルフ屋の軒下に自転車を避難させる。

幸い、30分ほどで強い雨雲は通り過ぎるらしく、ひたすらボーッと過ごす。座り込むわけにもいかず、足は普通に疲れる。

小雨になってから再出発、水を跳ね上げてズボンを汚しながら進んでいく。

 

東京に入る時には雨は上がり、お目当ての水門も通った。

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ひたすらに自宅を目指し、帰宅前にハンバーガーを買おうと思い立ったが、ちょうど花火大会の日に当たっていたらしい。

飛び出してきた人を避けようとブレーキをかけた瞬間、派手に転んだ。

自転車旅行の帰りはこける運命なのかと思いつつも、運よく怪我一つせずに済んだ。

 

泥だらけでハンバーガーを受け取り、帰る。

3日間で370kmほどの道のりだった。かなりハードなスケジュールにしてしまったが、それを差し置いても夏には二度とやりたくない。

日焼けでつらい肌をシャワーで流しつつ、そんなことを思うのだった。