バレない暇つぶしを探す仕事

最近、仕事の暇つぶしのおともに、このサイトを見ている。

www.cml-office.org

水の研究をしている大学教授が、「ニセ科学」と呼ばれる、世の中のうさんくさい商品にツッコミを入れるサイトだ。

Wikiっぽい見た目をしているので、仕事中にチラッと見られたとしても、関係ないページを見ているようには見えない。たすかる。

ガチガチの研究者が作成されているだけあって、具体的な商品への追及はもちろん、言葉の定義付けから検証方法まで、事細かにページが作られている。ページが膨大過ぎて、2か月ほど前から眺めているが、まだまだ読み終わりそうにない。

 

個人的な意見だが、理系の人の文章は、理路整然としており、文章として筋が通っている。が、読点が少ないことが原因で、結果的に読みにくい文章が多い。

加えて、私は理科と名の付くものが、全て苦手である。物理は特異な状況が多すぎ、そちらが気になって仕方がないし、生物は歪んだ曲線の集合体にしか見えず、見分けがつかない。唯一、某(亡)ソシャゲのおかげで、天体だけは少し好きになれる可能性があった(なお亡)。

そんな私が専門家の文章を正しく理解できるわけがなく、分からない文章は読み飛ばしながら進めているが、これが意外と面白い。

 

1つに、水素水や浄水器など、なじみのある商品を取り上げていることがあると思う。なんとなくうさんくさいと思っていたものが、いかにとんでもない宣伝をしているのか、単純に興味深い。

まあ、正しい科学の知識を持たない私が、このサイトにある情報を活用するには至らないと思う。

筆者は、ご丁寧に「ニセ科学」を判別する方法として、査読のある研究誌に論文が掲載されているか、統計的に信頼のできる実験によって効果を実証されているか、などを挙げている。しかし、一般人には、まずそこを辿っていくことが難しそうだ。

 

とはいえ、どういったものが怪しいのか、くらいには活かせるのかもしれない。新型コロナウイルス関係についても、次亜塩素酸水を吸引することについて、警鐘を鳴らしている(このサイトを見つけたのはこれがきっかけだった)。

最近は、どの店に行っても入口に消毒液が置かれている。よく分からない透明な容器に入っている、よく分からない液体も多いが、まあ微量ならそんなに悪影響もないだろうと使っている。が、この前吉野家で使ったところ、ヌルっとした手触りと塩素臭がしたのには驚いた。あれ漂白剤かなんかじゃないの・・・

なんでも疑ってかかるのはよろしくないが、変なものに対するアンテナは、ちゃんと反応するようにしておいたほうが良いのだろうな、と思った。

 

もう1つに、多方面に攻撃(というと語弊があるけど)しているだけあって、企業からのクレームが入ることも多いようで、その対応も面白いというところがある。

筆者は、法律についても深く勉強されているらしく、クレームへの対応がいちいちしっかりとしている。専門家が専門知識を存分に振りかざして戦っているところを見るのは、結構面白いものだということを知った。

 

また、科学の手続きは、糾弾した側が、効果を否定する証拠を出すのではなく、新たに科学的効果を提唱した側が、効果を実証する証拠を出す必要がある、というところも興味深い。現実では、決定的な証拠がなくても、情況証拠だけで説明責任が生まれることが多い。

だが、科学ではあくまで、(効果があるという)決定的な証拠がないと認めません、としている。いくら利用者が効果を実感していたとしても、認められた実験結果でなければ、それはニセ科学という扱いになる。

まあ、学問を取扱う以上、そのくらいの慎重さは必要なのだろうけど、「疑わしきは罰せず(むしろ罰せよか?)」を貫くのは、分かりやすいと言えば分かりやすい。

 

疑いをかけられ続け炎上し、ろくに説明をしないまま話を終わらせようとした結果、さらに炎上してしまった人を思いながら、そんなことを考えた退職3日前だった。