ただの覚え書き

今日行った面接で聞いた話が、非常にタメになったので、メモレベルに書いておく。

 

・料理人には4段階ある

1段階目が、自分の好きな味を作れる段階

2段階目が、自分が美味しいだろうと構想した味を、皿に表現できる段階

3段階目が、他人が美味しいと思える料理を作れる段階

4段階目が、全体的なメニュー構成を踏まえて表現できる段階

2段階目から3段階目のハードルは高く、3段階目から4段階目は更に高い。一流レベルの料理人と触れ合ってきたその人でも、3人しか会ったことがない。

 

・熱量があれば問題ないが、それは茨の道

経験がなくても、全てを料理に注ぎ込めるほどの熱量があれば、一流レベルの人からも教えてもらえる。

ただし、そのためには、空き時間を全て料理に費やすくらいの努力が必要。生半可では精神が潰れるため、その熱量が自分にあるのか、まずそこの見極めが重要。

骨(熱量)さえしっかりしていれば、筋肉(技術)はおのずと付いてくる。が、骨がしっかりしていないところにムチ打っても、必ず潰れる。

 

・パスタをメニューの1つとして出すのはアリ、でもココアパウダーを料理に使うという発想があっても良いのではないか

砂糖を加える前のカカオ(カカオニブ)は、苦味のアクセントとして、料理に用いられることがある。トルコ料理やフレンチなど。

 

・脇役が本物であれば、人を呼び込む力になる

那須のSHOZOというカフェ、喫茶店の主役であるコーヒーも美味しいが、「おしゃれである」ということが、口コミの大きな原動力になっている。他にも、シフォンケーキがめちゃくちゃ美味しい、流行りとは少しずらしつつも珍しいメニューが多いなど。

日替わりで出すパスタ、「そこそこ以上」くらいの美味しさではなく、抜群に美味しければ、そこに価値が生まれ、人を呼び込む力を持つ。

 

・自己資金と借入金の価値は違う

自己資金の500万は、手にするまでに税金を引かれていることを考えると、700万分の価値があるとみなすべき。

借り入れた500万は、10年で返済するとして、多く見積もっても50万程度増やして返せば良い。

つまり、自己資金で1000万貯めるよりも、500万を見せ金として、500万を借り入れてそれで商売した方が良い。

借金をするということに対して抵抗感を覚える人は多いが、1億借金をして事業を興して倒産し、生活ができないから月2万ずつ返済して、優雅な生活を送っているというゴニョゴニョな人は多い。

資金繰りは、思っている以上に簡単(これについては、資金繰りをすることなのか、資金繰りの仕組みがなのか分からなかった)。

 

鳴り物入りで開業すれば、それも人を呼ぶ力になる

スポットライトを浴びるような一流クラスの料理人と仕事をし、満を持して開業、となれば、開業した時点で話題になれる。そのような道も可能性としてはある。

 

・そこそこの店で経験してから、一流店に入る道も一応ある

一応あるが、まれ。その店で「周りのレベルが低すぎる、もっとレベルの高い店でないと自分の出したい価値が出せない」と感じるようなケースであれば、あり得る。

そうでなければ、最初から一流店に入る、という道になる。

 

・ソムリエの資格は、味覚を理論的に理解するのに重要

ワインの構成要素は、甘味・酸味・苦味・香りの4つ。これを理論的に理解することは、料理にも役立つ。

 

 

おおよそこんなところだったと思う。

 

星付きレストランというような店ではないけど、都内でも屈指の人気店ではあるから、入れば間違いなく自分の糧にはなると思う。

ただ、本当に生半可ではいけないということは、肌感覚で伝わってくるものがあった。その覚悟があるかと問われると、面接でも伝えたけど、正直ない。

 

本当に店を構えたくて、本当に店を成功させたいのであれば、全てを投げうってでも、飛び込んでいくべきなのだと思う。

だが、それに対して、「あくまで料理はサブであって、それはそこそこであれば良い」「今内定が出ている店では、カフェ業態や新店立ち上げの経験もできる」という考えがチラつく。

サブであるものこそ、力を入れれば価値が生まれるということは、上に書いた通り言われたし、その通りだと納得するものだった。そもそも、「そこそこ」と「一流レベル」なら一流の方が良いのは自明だ。

 

それでも、その考えがチラつく。そして、その考えがチラつくという時点で、生半可な気持ちなんだろうと思う。

ボンヤリとしたイメージではあるけど、四六時中料理のことを考えて、休みの日もひたすら勉強して・・・みたいな生活になると思う。実際は、そこまでしなくても、働くこと自体はできる。が、一緒に働く人からすると、教える価値のない人とみなされる。そんなイメージ。 

全てを料理に注ぎ込む生活は、まあつらいものだと言われたし、そう思う。そのつらい生活を送る中で、上の言い訳がチラついてチラついて、最終的に逃げることになる気がしてならない。もしくは、心がぶっ壊れる。

 

自分の人生を豊かにするものを、改めて考える必要があると感じた。今だったら、空いた時間に旅行やら初代ぷよやら、趣味の時間を持つことができる。そして、それは自分の人生を豊かにしていると、はっきり言いきれる。また、自分のお店を持つこともまた、人生を豊かにするものだ。

ざっくり、その趣味を切り捨ててでも100%を開業に向けて注ぎ込みたいのか、趣味と両立しながら開業を目指したいのか、という2つの道があるのだと思う。

 

自分の今の気持ちは、後者。そりゃ遊びの方が楽しいんだから当たり前だよなぁ?になる。でも、大事なことだとも思う。

仕事・家庭・趣味etc、自分にとって大切なものは何か、みたいな質問はよくあるけど、結局そういう話。

「あなたは、仕事を100にできますか?」と問われているのだと思う。それに対しての答えは、おそらくNOだし、それがNOであることも、おそらく間違ってはいないのだと思う。

 

仕事の成功だけを人生の幸せとして捉えるのではなく、人生の幸せの総量を増やすために、仕事と趣味を両立していきたい、というような考え?

とりあえず、自分の今の考えはこんな感じだと思う。書きながら考えをまとめていったので、一貫性がないかもしれない。

数年後の自分が見直した時に、なにか得るものがあるかもしれないので、ここに残しておく。

 

一応1週間期限をもらった。熱意があるなら入れるという。ありがたい話だが、おそらく考えは変わらないと思う。

まあ、1週間で何人かに会うし、那須のカフェにも行ってみようと思うので、もう少し考えてみましょうね~~~~~