タバコを買う時は番号で頼む派です

数日前の夜中、コンビニにタバコと飲み物を買いに行った時のこと。

 

レジに行ったら誰もおらず、入り口付近で外国人の店員に文句を言っている初老の男性が目に入った。

何かの商品の場所を尋ねているが、店員にはその置き場がわからないようだった。他に店員もおらず、その店員は怪しい日本語で「わからない」と繰り返していたが、レジに私がいるのに気づくと、話を中断して会計を始めた。

男性は、割り込むことこそなかったものの、会計中に「日本語もわからないのか」といったようなことを口にした。

 

会計を終えた私は、男性に何を探しているのか尋ねに行った。

別に、男性に対して、もしくは店員に対しての親切心からではない。でかい声で文句を続ける男性に、ついでになにか嫌味でも言ってやろうかと思ってのことだった。

探し物を訊くと、男性は「見つかったので大丈夫です。わざわざありがとうございます」と、予想よりも遥かに丁寧に私に応え、インスタント味噌汁を手に取ってレジに並んだ。

 

正直たまらねえよな、と思った。

何がたまらないのか自分でもよくわからないが、言葉も勉強中の異国の地で(実際望んだ進路なのかは不明だが)コンビニ店員という職に就き、商品の場所がわからないことで過剰に文句を言われる。結構嫌なものだと思う。

まあ、店員なら商品の場所を把握しておくべき、という意見はもっともだ。が、大して広くもない店内、常温の食料品が置かれている場所なんてたかが知れている。棚2本分探せば簡単に見つかるだろう。

碌に探しもしないで、ネチネチ文句を垂れるのは、なんというか醜い気がしてならない。

男性が、私に対してやたらと丁寧に応えたのも、モヤモヤを増幅させている気がする。もっと粗暴な人だったら、ただのクソ客というだけの話だった。

 

研修中の外国人を1人でシフトに入れる店、過剰に文句を言う客、どういう理由か日本に来てコンビニ店員をする外国人。

ぼんやり思いを馳せながら帰宅し、タバコを取り出した時に気が付いた。頼んだものと1番違いのタバコを渡されていた。